分かり難い探偵料金の相場を解説
探偵を利用する方にとって、最も気になるのは調査に必要な費用ではないでしょうか?
探偵は料金が高いといううわさ話や、高額な追加料金が請求されると聞いた人も多いと思います。また、多くの探偵業者のホームページには料金を掲載していない現状があります。
このような理由から、探偵の調査料金に不安を感じても仕方がないのかもしれません。
探偵の調査料金は、服や靴のように商品ごとの明確な価格が決まっておらず、同じ調査を依頼しても条件により価格が異なる料金体系です。
また、実費が別途必要になる料金体系が一般的で、費用の総額が分かり難いのも探偵の料金に不安を感じる一つの理由です。
探偵料金の相場が分かれば、適正な料金の業者に依頼できますし探偵を利用するか考える際にも役立ちます。
このページでは、探偵の料金相場を解説していきたいと思います。
❏【 目 次 】 分かり難い探偵料金の相場を紹介
1 探偵の料金体系
1-1 探偵の料金は調査時間で決まる
1-2 成功報酬制もコストを基に料金が決まる
2 探偵料金の相場を紹介
2-1 時間の調査に必要な費用
2-2 浮気調査の支払総額の目安
2-3 業者により料金が異なる理由
2-4 長時間の調査は時間単価が安くなることも
探偵の料金体系
服や靴などの商品には値札が付いており、誰が購入しても同じ商品であれば同じ料金で購入ができます。そのため、料金に不安を感じず購入ができます。
しかし、探偵の料金は同じ調査を依頼しても、さまざまな理由により料金が異なる料金体系が一般的です。浮気調査は○○万円、人探しは○○万円と料金が決まっている訳ではなく、調査の難易度などにより料金が異なりますので総額が分かり難い特徴があります。
服やかばんは製造コストが同じですので、同じお店であれば同じ料金で販売されています。また、明確な価格が表記されていますので、一目で価格が分かり安心して購入ができます。
しかし、探偵が行っている調査業務は少し事情が異なります。
たとえば、浮気調査を探偵に依頼したときで考えてみましょう。
浮気をする日時が分かっていれば1日の調査で結果が出る場合もありますが、浮気をする日時が分からなければ複数日の調査が必要です。また、市内など近郊のみの調査で終了する場合もあれば、遠方での調査が必要になる場合もあります。その他にも、対象者の警戒心が強い調査では、複数の調査員で調査を行ったり調査員を途中で交代する必要があります。
このように、同じ浮気調査を探偵に依頼した場合でも、状況により調査に必要な経費が異なり調査料金も変わります。
探偵の料金は調査時間で決まる
探偵も営利目的の会社ですので、原価以下で調査を引き受けるとは通常は考えられず、調査に必要な経費を基に調査料金を決めています。
探偵にはさまざまな経費が発生していますが、最も大きな経費は調査を行う調査員の人件費です。
そのため、調査に必要な時間を基に料金を決める料金体系が一般的で最も合理的な料金体系です。
具体的には、調査員2名と車両1台で調査を行った時には1時間に付き○○万円と料金が決まっており、調査を行った時間分の調査料金が必要です。
ただし、最低の稼働時間が決められており、短時間の調査でも5時間前後の費用が必要です。これは、調査に当たる時間以外にも、事前準備、現地までの移動、報告書の作成などの時間が必要で、5時間以下の短時間では採算が取れないからと考えられます。
調査員の人数によっても経費が異なり、人数が増えれば調査の成功率は高くなりますが1時間当たりの調査料金は高くなります。そのため、調査の難易度に合わせた適切な人数での調査が費用対効果が高く、一般的な浮気調査は調査員2~3名が最もバランスが良いといわれています。
成功報酬制もコストを基に料金が決まる
少し前までは、調査時間で料金が決まる料金体系が一般的でしたが、最近では成功報酬制や定額制の料金体系が増えてきています。
これらの料金体系は、契約した結果が出たときに契約時の料金が発生したり、契約期間中はどれだけ調査をしても一定の料金で行える料金体系です。そのため、結果が出なければ料金が発生しなかったり、総額が分かりやすく依頼者にとって安心感がある料金体系です。
ただし、どのような料金体系であっても、原価以下の価格で調査を引き受けるとは考えられませんので、調査に必要な経費を基に調査料金を決めています。
成功報酬制の料金体系では、調査にどれだけの時間と人数が必要かを見積時に予想し、考えられる最大の経費を基に料金を設定しています。また、調査結果が出ない場合でも探偵業者は経費が発生していますので、そのリスクを探偵が受け持つ料金体系であり料金は割高な傾向があります。
簡単に言ってしまうと、成果が出ずに赤字になる調査の補填を他の調査の成功報酬金に上乗せして利益を出している料金体系です。
定額制の料金体系でも、期間中にどれだけの経費が必要かを基に料金を決めており、基本的には割高な料金体系です。
依頼者にとっては魅力的な料金体系に感じるかもしれませんが、デメリットも考えて料金体系を選びましょう。
探偵料金の相場を紹介
探偵の料金は、基本的に調査に必要な「時間」と「調査員の人数」で決まります。
調査時間が長くなれば料金は高くなり、調査員の人数が多くなれば料金は高くなります。そのため、同じ浮気調査を依頼したとしても、調査に必要な時間や調査員の人数により料金が異なります。
調査費用を抑えるためには、調査を行う日時の絞り込みが最も大切な要素です。
たとえば浮気調査では、調査をした日時に浮気がなければ結果がでませんので、複数日の調査が必要で料金も高くなります。そのため、探偵に調査日時を絞り込む力があるかが料金の総額に大きく影響します。
一方で、調査員の人数は調査の成功率に直結する大切な要素です。
少人数で調査を行えば時間当たりの料金は安いのですが、結果が出なければ意味がありません。調査員の人数が少なければ調査の成功率が下がり、別の日に再調査が必要であり総額が高くなってしまう場合があります。
そのため、調査に適した調査員の人数で行う必要があり、探偵業者と相談をして調査員の人数を決めましょう。
調査内容により必要な調査員の人数は異なりますが、浮気調査など尾行や張り込みを伴う調査では調査員2~3名が最も費用対効果が高いです。
調査員1名での調査は成功率が大幅に下がってしまいますので、一般的に探偵業者は引き受けない傾向があります。調査料金だけで判断するのではなく、調査の成功率も考え適切な調査員の人数を決める必要があります。
1時間の調査に必要な費用
多くの探偵では、1時間当たりの調査料金が決まっており、調査を行った時間分の料金が必要になる料金体系が採用されています。
成功報酬制や定額制の料金体系でも調査原価は同じですので、この料金を基準に成功報酬金を決めています。
1時間当たりの料金は、探偵業者により開きがありますが目安となる料金を紹介します。
調査員2名と車両1台の場合
探偵の調査では最も少人数な人員で、難易度があまり高くない調査や短時間の調査、行き先や行動がある程度分かっている調査に適しています。
料金は1時間当たり14,000円~28,000円で、1日5時間の調査では70,000円~140,000円が相場です。
調査員3名と車両1台の場合
探偵が行う調査で最も一般的な人員で、ある程度難易度が高い調査であっても対応が可能で、調査の成功率と料金のバランスが優れています。
料金は1時間当たり20,000円~35,000円で、1日5時間の調査では100,000円~175,000円の費用が相場です。
また、対象者が車で移動する場合には車両2台での調査が理想で、車両1台の追加につき1日5,000円前後が相場です。
調査員4名と車両2台以上の場合
探偵が行う調査では人員と車両が多めで、対象者が警戒しているなど難易度が高い調査や長時間の調査、遠方まで移動する調査に用いられます。
料金は1時間当たり25,000円~40,000円で、1日5時間の調査では125,000円~200,000円が相場です。
浮気調査の支払総額の目安
同じ浮気調査でも、浮気が行われる日時が分かっている場合と分からない場合では料金が大きく異なります。
また、浮気をしているのか事実確認だけでよいのか、離婚や慰謝料の請求を考えていて明確な証拠が必要なのか、浮気相手の身元特定までしたいのか、などによっても料金は異なります。
難易度が低くある程度日時が絞り込めている場合で、浮気の証拠収集だけが目的であれば2~3日で結果が得られるケースが多いようです。また、調査員も2名で結果が出る場合が多いようです。
調査料金の総額は、150,000円~300,000万円程で結果が出せる場合が多く、浮気調査としては比較的安めの料金です。
慰謝料の請求を考えている場合には、浮気の証拠以外に浮気相手の氏名や住所の特定が必要です。また、複数回の証拠があると慰謝料請求で有利になりますので、3~4日の調査が必要になるケースが多いようです。
調査料金の総額は、200,000円~500,000万円程が必要になる場合が多く、ある程度の予算が必要になると考えておきましょう。
浮気が行われる日時が分からない場合や対象者の警戒心が強い場合には、調査に時間が必要になり状況次第では調査料金が高額になるケースがあります。
さまざまな理由で料金が変わりますので相場をお伝えするのは難しいのですが、状況によっては1,000,000円近い料金が必要になるケースもあるようです。ただし、浮気調査で2,000,000円以上必要なケースは特殊な状況を除きほとんどありませんので、このような料金を提示する業者には注意しましょう。
高額な調査料金を提示されたときには、どの様な調査を行うのかを確認し内容に納得ができるかを考えてみましょう。また、料金や調査方法に不安があるときには、複数の探偵から見積もりを取るとよいでしょう。
浮気調査の費用が高額になる理由として、依頼者の言動で対象者に警戒心を与えてしてしまった原因が挙げられます。
依頼者が浮気を問い詰めたり、浮気を確かめようとした行動が対象者にバレてしまうと、警戒心が強くなり調査の難易度が高くなってしまいます。また、浮気をする日時の絞り込みが難しくなったり、しばらく浮気を自粛するケースもあります。
このような状況になると、調査の難易度が上がったり効率が悪くなり、調査料金が高くなってしまう場合があります。自分一人で浮気の証拠を探すのではなく、難しいと思った時点で探偵に相談をすると良いでしょう。
業者により料金が異なる理由
探偵は業者によって料金の差が大きい業界であり、1時間の調査料金で比べても倍以上の開きがあります。
探偵の最も大きなコストは調査員の人件費ですが、この人件費は業者により大きな差があるとは考えられません。そのため、その他のコストと利益率の大小で料金に差が出ていると思われます。
探偵業者により差が大きいコストとしては、広告費、事務所家賃、新規出店費、外注業者への委託マージンが挙げられます。
探偵業界は広告費が大きい業界と言われており、タレントを起用し大々的な広告を行っている探偵業者では、年間で数百万単位の広告費が必要だと考えられます。
また、駅前の一等地の立派な事務所であれば100万円前後の家賃は必要ですし、新規出店を行えばまとまったお金が必要です。その他にも、調査を外部の探偵に委託すれば中間マージンが発生します。
このような経費は、調査には直接関係がない経費ではありますが、最終的には利用者の調査料金から支払われています。
一方で、調査機器や車両は決して安い訳ではありませんが、一度購入すれば長期間利用できるもが大半でありそれ程大きな経費にはなっていないようです。
人件費以外のコストは調査力に影響がない経費が大半ですので、料金が高い探偵であれば調査力が優れていると言えないのが現実です。
そのため、探偵は「調査力と料金が必ずしも比例しない」業界であり、料金が安い探偵でも調査力が高い業者もあります。
もう一つの料金が異なる理由として、探偵業者の利益率の大小も影響しています。
探偵も利益を求めている会社ですので、利益を上げることは決して悪い訳ではありません。
しかし、一件のお客様から大きな利益を上げるには、調査料金を高額にする必要があります。そのため、利用者にとっては、料金だけを見ればデメリットになってしまいます。
長時間の調査は時間単価が安くなることも
探偵の料金は、基本的に調査を行った時間分の費用が必要ですが、長時間の調査では1時間当たりの料金を安く設定している業者もあります。
例えば、1日5時間以上の調査を行った場合には5時間以降の料金が安くなったり、5日以上の調査を行った場合には5日目以降の料金が安くなる料金体系です。
多くの探偵業者では、相談や見積を無料で行っていますし調査の下見や事前の下調べなども無料で行っています。しかし、これらの業務にも当然ですが経費が掛かっていますので、調査料金に込みになっていると考えることができます。
また、広告費や事務所経費は長時間調査を行ってもコストが増えるものではありません。
このような事情から、長時間の調査では1時間当たりの料金を安く設定しても採算が取れ、時間当たりの料金を割引している探偵もあるようです。
長時間や長期間の調査が必要な場合には、このような割引があるかを確認してみましょう。
追加料金に注意が必要
1時間当たりの調査料金が安くても、追加料金が高額であれば支払総額は高くなってしまいます。そのため、探偵業者を選ぶときには、どの様な追加料金が幾ら必要なのか確認しましょう。
探偵の業務では、ある程度の追加料金が発生しても仕方がない場合もあるのですが、高額な追加料金で利益を上げている探偵業者もありますので注意しましょう。
良心的な探偵業者は、調査員、車両代、下見代、報告書代、撮影機材代など、一般的な調査で必要な費用は料金に含まれています。
「一般的に必要な追加料金」と「通常は不要な場合が多い追加料金」を紹介します。
一般的に必要な追加料金
探偵の調査料金では、調査で利用した実費を別途請求する料金体系が一般的です。
実費とは、電車代、有料道路代、駐車料金、タクシー代、宿泊代、飛行機代、施設の入場料などがあります。これらの経費は、近郊の調査ではそれほど発生しませんが、タクシーや入場料が必要な施設に入ればある程度の金額が必要です。また、新幹線、飛行機、高速を利用する遠方での調査では大きな金額が必要です。
そのため、調査により大きな差がある経費であり、調査料金に込みにするのが難しく別途請求する料金体系が一般的です。
これらの経費には利益を上乗せしない探偵が多いようですが、一部の探偵ではマージンを乗せている場合もあるようです。実際に利用した料金を領収書を付けて請求してくれる探偵であれば安心できるでしょう。
悪質な業者の追加料金
高額な追加料金を請求し利益を上げている探偵業者は、特徴があり見分けることができる場合があります。
良心的な探偵では、調査員、車両代、下見代、報告書代、撮影機材代など、一般的な調査で必要な費用は基本料金に含まれています。しかし、これらの費用を別途請求し地益を上げている探偵もありますので注意しましょう。
悪質な業者の特徴としては、見積時にはこのような費用は必要ないと説明をし、特殊な撮影機材が必要になるとか調査の難易度が高いので下見が必要などの理由を付け追加料金を請求しています。
また、見積時には追加料金についての説明がないにも関わらず、契約書には記載してあり請求する業者もあります。その他には、追加料金が一般的に考えて高額な業者も悪質と言えるでしょう。
ただし、これらの特徴は契約前には分からない場合が多いでしょう。
契約前に悪質な業者を見分ける方法としては、ホームページに料金や追加料金が明記してある探偵かを確認しましょう。
ホームページなどに料金を明確に記載している探偵であれば、料金の透明性が高いと考えられます。一方で、ホームページに料金を公開していない探偵、○○万円~などと曖昧な記載をしている探偵は、公開できない何らかの理由があります。
その理由は不透明または高額な料金体系が原因ですので、利用を避けるべき探偵の特徴です。そもそも、調査料金が適正であれば探偵業者にとっても公開するメリットがありますので、公開していない探偵には悪意があると考えて良いでしょう。
また、広告の料金と見積の料金が異なる業者もあるのですが、このような業者の利用は避けたほうが良いでしょう。
悪質な探偵業者かを見分けるには、短時間の調査を実際に利用してみる方法が最も確実です。
始めは一日だけ調査を利用し、実際に利用して納得ができた場合のみ追加の調査を依頼しましょう。実際に探偵を利用してみれば、どのような業者かある程度分かりますので、業者選びを失敗しても損失は最小限にとどめることができるでしょう。
また、初めから長時間の調査の契約を迫る探偵業者は、利用を避けるべき探偵の特徴ですので利用を避けましょう。
まとめ
探偵の料金は浮気調査や人探しなどの調査の種類によって決まるのではなく、調査の主な経費である調査時間と調査員の人数で決まります。
成功報酬制や定額制の料金体系でも、基本的には調査に必要なコストを基に料金を決めています。
そのため、同じ調査を依頼した場合でも、調査の条件や難易度により料金が大きく異なります。
また、時間制の調査料金が最も料金が安くなり、次いで定額制が安く、成功報酬制が最も料金が高くなります。
浮気調査を依頼したときには、難易度が低い調査であれば150,000円~300,000万円程が相場ですが、難易度が高い調査では1,000,000円以上の料金が必要になるケースもあるようです。
また、広告の料金と見積の料金が大きく異なる探偵や、高額な追加料金を請求する探偵もありますので注意しましょう。必ず調査終了までに必要な総額を確認し、どの様な追加料金が幾ら必要なのかも確認してから契約をしましょう。
探偵は調査のプロですので、自分ではできない調査でも結果を出せるメリットがあります。一般的に、浮気調査の成功率は90%以上、人探しの成功率は80%以上と言われています。
しかし、プロの探偵が行っている調査にはコストが発生しますので、ある程度の金額は考えておく必要があるでしょう。
被害額や慰謝料の金額が少ない場合には、探偵の調査で結果が出ても金銭的なメリットが得られない可能性があります。ただし、探偵を利用する目的は金銭的なメリットだけではありません。事実をどうしても確認したい方もいれば、相手を許せない気持ちから制裁を与えたい方もいます。
お金を払ってでも探偵を利用するメリットがあるのか考えて、探偵を利用する価値があるのかを考えて利用を判断しましょう。