子どもの養育費を解説


子どもがいる夫婦が離婚をするときには、子どもの養育費が気になる方も多いのでは無いでしょうか?
養育費を受け取れない人が多いのも事実ですし、養育費は少なく十分な金額は受け取れないと聞いたことがある方も多いと思いますので、不安な気持ちになるのも仕方がないのかもしれません。

離婚後に受け取る養育費は、役場などの行政機関が決めてくれる訳ではありませんので、離婚をする夫婦で取り決めを行わなければなりません。また、取り決めを行った養育費が支払われない場合であっても、あなた自身で支払いを求めて解決をしなければなりません。
そのため、養育費を受け取ることができていない人も多いのですが、養育費についてよく理解し適切な手続きを行えば受け取れる可能性を高めることが可能です。

養育費について詳しく知ることができれば、適正な養育費を請求することができますし、養育費の未払いをある程度は防ぐことができます。
このページでは、養育費の基礎知識と相場を解説していきたいと思います。

❏【 目 次 】 子どもの養育費を解説


養育費の基礎知識

養育費と言う言葉を知っている方は多いと思いますが、養育費がどの様な意味を持つお金なのかを理解している方は少ないのではないでしょうか?
また、養育費は受け取れないとか金額が少ないなどと聞くこともあると思いますので、養育費に対して期待をしていない方も多いかもしれません。
このような誤解は、養育費について良く理解していないことが原因となっている場合が多いようです。

養育費は、国などの行政から支給されるお金では無く、親権を持たない親が一緒に暮らしていない子どもに対して支払うお金です。
養育費の支払期間や金額は法律で決められている訳ではありませんし、離婚をしたら何もしなくても受け取れるものでもありませんので、養育費の取り決めや受け取りなどは当事者で対処をする必要があります。
そのため、養育費の話し合いを躊躇してしまい取り決めを行っていなかったり、未払いを防ぐ対策をしていないことが多く、このことが原因で養育費が受け取れないことが多いようです。
養育費はあなたのお金ではなく、子どもを養育するために大切なお金です。
親の責任としてしっかりと受け取ることが大切なのではないでしょうか?

養育費とはどの様な意味があるお金?

未成年の子どもが一人で生きて行くことは困難ですので、親は子ともに対して様々な義務や責任が課せられています。
その中核となるのが子どもに対する扶養義務であり、親には子どもに対して扶養をする義務が課せられています。この扶養義務は一方の親のみに課せられるものではなく両親に課せられています。

離婚をする夫婦に未成年の子どもがいるときには、その子どもの親権者(監護権)を決める必要があります。
子どもを監護する親(監護親)は、子どもを監護していない親(非監護親)に、子どもを育てていくための養育に必要な費用を請求することができます。
この費用のことを「養育費」と言います。

親権とは、「子どもの生活の面倒を見たり財産を管理する権利」ですので、親権者のみを親として認める権利ではありません。つまり、親権を持たない親であっても、子どもとの親子関係に変わりは無く離婚後も継続します。
離婚をして親権を持たない親であっても、子どもの親であることに変わりありませんので扶養義務があり、養育費の支払い義務が当然として発生します。
一方で、離婚をすれば夫婦は法律上は他人になりますので、元配偶者の生活を保障する必要はなく扶養の義務も無くなります。(ただし、特別な事情があるときには扶養的財産分与が認められる場合があります。)
つまり、養育費は自分の子どもを養育する費用であり、元配偶者の生活のために支払うお金ではありません。

養育費の支払義務は、子どもが最低限の生活ができるための扶養義務ではなく、それ以上の内容を含む「生活保持義務」があると考えられています。
生活保持義務とは、自分の生活を保持するのと同じ程度の生活を、扶養を受ける者にも保持させる義務のことになります。つまり、養育費の支払い義務者と同様の生活水準を保てるように支払う義務があります。
そのため、「生活が苦しいから払えない」という理由で支払義務を免れるものではなく、生活水準を落としてでも払う必要があるお金と考えられています。

養育費が受け取れる期間

養育費が受け取れる期間は、「基本的に子どもが成人するまでの期間」となります。細かく言うと子どもが18歳になる月まで支払われるケースが基本となります。
子どもが成人になったら社会的に自立したと考えられますので、養育費の支払い義務もなくなると言う考え方に基づきます。
一方で、子どもが未成熟で経済的に自立することができない場合に支払われるものでもありますので、子どもが成年に達しても経済的に未成熟であれば、養育費を支払う義務を負うとの考えもあります。

そのため、子どもが高校卒業後に働く場合では高校卒業まで養育費の支払いを行い、子どもが大学に行く場合には大学卒業時まで養育費の支払期間を延長することが多いようです。
浪人や留年した場合の取扱も異なる場合があり、現役で合格して大学を卒業できた場合を想定して「22歳になる年(の翌年)の3月まで」などとすることもあれば、「大学を卒業する年の3月まで」とする場合もあります。
一般的には、大学を卒業するまで養育費を受け取るケースが多く、大学院に進学しても大学院を卒業するまで養育費を支払うケースは少ないようです。

養育費の金額はどのように決まる?

養育費は、学校、病院、習い事、食費、洋服代など養育に掛かる費用を個別に計算して支払うことは通常は行わず、月数万円などある程度まとまった費用を受け取り、受け取った側の判断でそれを子どものために使うことが一般的です。
そのため、具体的な費用を計算する必要はありませんし、養育費を何に使ったのかを報告する義務もありません。

養育費の金額は法律で決められている訳ではありませんので、当事者で合意ができれば自由に金額を決めることができます。
ただし、相場と大きく離れた金額では合意ができない場合が多く、調停や裁判により決められる金額が一つの目安になっています。

当事者で合意ができないときには、調停や裁判によって養育費の金額を決めることになるのですが、このときには養育費算定表を基に金額が算出されます。
養育費は、支払い義務者と同様の生活水準を子どもが保てる義務を負うものですので、養育費算定表もこのことを基に作らています。
養育費算定表は、元夫婦の収入状況、未成年の子どもの人数、子どもの年齢、給料所得者か自営業者かの4つの条件によって養育費が算出され、元夫婦の収入状況が最も大きく影響する要素となります。
そのため、養育費の支払い義務者の収入が少なければ、十分な養育費を得られない場合があります。

養育費算定表から算出した養育費の一例

養育費算定表から、一定条件の金額を掲載していますので参考にしてください。

親権者が年収200万円の給料所得者の場合(14歳以下の子供が1人の場合)

養育費支払者の年収 支払い者が給料所得者の場合 支払い者が自営業者の場合
300万円 2万~4万円 2万~4万円
500万円 4万~6万円 6万~8万円
800万円 8万~10万円 10万~12万円

親権者が年収200万円の給料所得者の場合(14歳以下の子供が2人の場合)

養育費支払者の年収 支払い者が給料所得者の場合 支払い者が自営業者の場合
300万円 2万~4万円 4万~6万円
500万円 6万~万円8 8万~10万円
800万円 10万~12万円 16万~18万円

養育費支払い義務者の所得が300万円しかないときには、養育費は2~4万円と少なく子どもを養育するのに十分な金額を受け取ることはできません。
一方で、養育費支払い義務者の所得が800万円あるときには、8~12万円の養育費が受け取れることができます。
所得により金額が異なることに違和感を感じる方もいるかもしれませんが、養育費は「支払い義務者と同等の生活を保持する義務」であることを忘れては行けません。

一度取り決めた養育費も変更が可能

養育費は一度決めたら変更ができないものではありません。
養育費を一度取り決めた場合であっても、正当な理由があれば後からでも変更をすることができます。また、養育費の取り決めを行っていない場合には、後から養育費を取り決め請求することが可能です。

養育費は、支払い義務者と同様の生活水準を子どもが保てる義務を負うものですので、取り決めを行った後にお互いの経済状況や養育環境が変われば、増額請求や減額請求が認められることになります。
養育費支払い者の所得が上がることもあれば、受け取り者の所得が下がってしまうこともあるでしょう。このようなときには養育費の増額請求が認められる可能性があります。
一方で、養育費支払い者が失業や病気などにより年収が下がこともあれば、家庭の事情で生活が苦しくなることもあるでしょう。このようなときには養育費の減額請求が認められる場合もあります。

一度取り決めた養育費が変更されることに違和感を感じるかもしれませんが、離婚をしていない夫婦であっても経済的な事情で養育に使えるお金が変わることがあります。
このことは、離婚をしている元夫婦にも当てはまりますので、養育費の変更を受け入れる必要があるでしょう。

養育費の増額や減額は、元夫婦での話し合いで決めるものですが、話し合いをしても合意ができないときには、家庭裁判所で養育費増額や減額の調停をすることにより、養育費の増減を決めることになります。
調停により合意ができない場合には、自動的に審判になり裁判所が妥当な養育費の金額を決定します。

養育費は原則非課税

養育費は、基本的に非課税で受け取ることができ、所得税や贈与税が発生することはありません。
金銭を受け取った場合には、所得税や贈与税を支払う義務が発生しますが、養育費に関しては以下のような理由で税金が発生しません。

所得税法では、「学費に充てるために給付される金品、及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品については、所得税を課さない」と規定しています。
養育費は、子どもに対する扶養義務があるから請求できるものですので、「扶養義務を遂行するための金品」に当たり所得税は発生しますん。
贈与税に関しても、「扶養義務者相互間において、生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものについては贈与税の課税価格に参入しない」と規定されています。
子どもの教育費や生活費に充てる養育費は、「扶養義務者相互間」であり「通常認められるもの」に該当するため贈与税は発生しません。
ただし、養育費という名目で課税されるかが判断される訳ではありませんので、養育費と言う名目で受け取ったとしても、土地や車の購入に使ったり貯金として銀行に預けたり、子どもの養育以外に利用したときには贈与を受けたと見なされ課税対象になる場合があります。

通常の養育費は、「月額○○円」などのように一定額を毎月受け取る方法が一般的ですので、子どもの養育に使っているのであれば問題は無いでしょう。
数年分の養育費を一括で受け取る場合には、預貯金をするケースが多くなると思います。このようなケースでは、法律的には相続税の支払いが必要になると考えられますが、現状として行政も養育費が相当な額と認められる場合には贈与税を課さない傾向にあるようです。

養育費に関しては、受け取る金額が通常より高額な場合を除き、基本的に課税されることは無いと考えて良いでしょう。
途中で養育費が未払いになるリスクも十分考えられますので、受け取る側からすれば一括で受け取るメリットがあるでしょう。
ただし、養育費と言う名目で合っても、通常考えられる相当額を超える養育費を受け取った場合には、課税対象となりますので注意しましょう。

離婚するまでの期間は婚姻費用

婚姻費用とは、「夫婦と未成熟の子」という家族が、収入、財産、社会的地位に応じて、通常の社会生活を維持するために必要な生活費のことを言います。
法律上は婚姻費用について、夫婦がその負担能力に応じて分担する義務を負っています。
この義務は、離婚を前提に別居をしている場合であっても、法律上の夫婦である限り発生することになります。そのため、夫婦が別居した際には、収入が低い人に対して収入の高い人が生活費を支払う義務が発生します。

養育費と婚姻費用は、同じようなものと考えている方もいますが、多少意味合いが違いますので一部で扱いが異なります。
養育費は、子どもの養育に必要なお金であるとの考えに基づきますので、離婚理由に関わらず受け取る権利があるお金となります。それに対して婚姻費用は、子どもの養育費と片方の配偶者の生活費の2つの意味がるお金です。
そのため、不貞行為など婚姻関係の破たんや別居に至った原因が、婚姻費用を請求する側にあるときには「権利の濫用」と考えられることがあり、その一部、または全部が認められない場合があります。
なお、婚姻費用の金額については、養育費と同じように夫婦間で合意できれば自由に決められますが、婚姻費用算定表を基に決められることが一般的です。

再婚したときの養育費

養育費を受け取っている側が再婚をした場合であっても、そのことだけが理由でただちに養育費の支払いが受けられなくなる訳ではありません。
再婚相手には、法律上は連れ子の養育義務は発生しませんので、実の親に養育義務があることに変わりなく養育費の支払い義務が継続します。そのため、再婚したことだけを理由に養育費の減額は認められないと考えられます。
ただし、再婚相手と連れ子が養子縁組をした場合には、再婚相手が第一次の扶養義務者になりますので、養育費の支払いが不要なったり減額が認められる場合があります。

養育費を支払っている側が再婚をした場合には、状況により養育費の減額が認められることがあります。
養育費はお互いの経済状況により決まりますので、再婚後に新たに子どもができたり再婚相手に連れ子がいた場合には、養育費を支払う側の経済的負担が大きくなると考えられ、養育費の減額が認められる場合があります。
再婚相手の連れ子と養子縁組をしない場合には、その子どもの養育義務はありませんが、子どもが小さく再婚相手が働けない場合には再婚相手に対しては扶養義務が発生します。そのため、再婚相手の扶養義務を考慮すると経済的負担が大きくなり、結果として養育費の減額が認められる場合があるようです。
このようなケースでは、再婚相手の実質的な所得だけでは判断されるのではなく、仕事をしていないとしても働ける状態であれば、働いた場合の所得が加味されて決められる場合もあるようです。


養育費の未払いを避ける

養育費の取り決めを行っても、支払って貰えないという話を耳にしますが、適切な対応をすれば養育費の未払いをかなり防ぐことができます。
養育費は月に数万円程度のケースが多いと思われますが、子どもの年齢によっては20年前後と長期に渡って受け取るお金ですので、総額が1,000万円以上になることも珍しくありません。
子ども養育に必要な大切なお金ですので、親の責任としても養育費を受け取る必要があるのではないでしょうか?

養育費が未払いになる理由

養育費が未払いになる理由には様々なものがありますが、大きく分けると次の3つになります。

  • 養育費の取り決めができていない
  • 相手に養育費の支払い能力がない
  • 養育費の取り決めをしたが支払いに応じない

「養育費の取り決めができていない」ことが原因の場合には、当事者の問題であり取り決めを行うことで解決できる可能性は高いと思われます。
また、「養育費の取り決めをしたが支払いに応じない」場合には、対応次第で養育費を受け取れる可能性は高く解決が可能だと思われます。
一方で、「相手に養育費の支払い能力がない」場合には、養育費の支払いを受けることは困難な場合が多く、支払い者の経済状況が良くなるのを待つしか方法が無いことが多いと言えます。

養育費の取り決めができていない

養育費は、法律で金額や支払い方法が決められているものではありませんので、誰かが代わりに決めてくれたり支払いを代行してくれる訳ではありません。あくまでも離婚する夫婦(子ども)の問題ですので、当事者である夫婦で解決しなければなりません。
養育費の取り決めができていなければ、そもそも支払いを受けることは困難となってしまいますので、養育費の取り決めを必ず行う必要があります。
離婚時には夫婦関係が険悪になっていることもありますし、離婚原因があなた側にあるときには請求しずらいかもしれませんが、養育費はあなたの為のお金ではなく子どものためのお金です。
あなたにとってストレスになるかもしれませんが、子どものためを考えても取り決めを行う必要があるのではないでしょうか?

養育費の取り決めは、当事者で行う必要があるものではありますが、弁護士などに交渉をお願いすることもできます。また、話し合いで解決できないときには、裁判の判決で強制的に決めることも可能です。
そのため、養育費の取り決めがどうしてもできないケースは殆どなく、あなたの行動次第で取り決めを行うことができると言っても良いでしょう。

相手に養育費の支払い能力がない

養育費は、公的なお金ではなく親権を持たない親が子どもに対して支払う義務を負うものです。
そのため、相手に養育費の支払い能力が無ければ、実際に養育費を受け取ることは困難ですので、相手の経済状況が改善するまで待つ以外に方法は無いでしょう。

相手に養育費に支払い能力がないときには、相手の親である祖父母に対して養育費の請求を考える人もいるかもしれませんが、原則として、孫の養育費を支払う義務はないとされています。
そのため、養育費の支払いを祖父母に願いすることはできますが、相手が応じない場合であっても法的に対処することはできません。
ただし、離婚をしても祖父母から見れば孫になりますので、孫のことを可愛いと感じ支払ってくれるケースもあるようです。祖父母との関係が良い場合や祖父母が経済的に余裕がある場合には、代わりに養育費を支払ってくれるケースもあるようです。このような場合には、養育費を受け取ることに何ら問題はありません。

また、養育費は、支払い義務者と同様の生活水準を子どもが保てる義務を負うものです。そのため、支払い義務者の所得が少ないときには、養育費の金額が少なくなったり全く得られないケースも考えられます。

養育費の取り決めをしたが支払いに応じない

養育費の取り決めを行ったにも関わらず、相手が支払いに応じないケースは少なくありません。
このような場合であっても、支払いを受けるには当事者で対処をしなければなりませんが、対応次第では未払いを防げる場合も少なくありません。
養育費の未払いは、支払い者に問題があることに間違いありませんが、未払いにならないような対策を取ることが大切です。

法的拘束力がある書面を作成

夫婦間で決めた養育費を離婚協議書として残したとしても、預金や給料を強制的に差し押さえることは難しく、未払いになってしまう原因の一つとなっています。
離婚協議書は、法的な効力が弱いため財産を強制的に差し押さえる「強制執行」を行うことができません。強制執行を行うには、まずは養育費調停をして裁判所で養育費の取り決めを行う必要があり、労力が必要になることから養育費が未払いになっても行動に移さず、結果として養育費の未払いを放置してしまう方が多いのが現状です。

それに対して、「公正証書」や「調停調書」を作成しているときには、裁判所に強制執行の申し立てを行い相手の財産を直接差し押さえることができます。このことは、養育費を強制的に取得できることはもちろんですが、相手に対して養育費の支払いを果たさないと資産を差し押さえられることを認識させられると言う意味を持ちます。
結果として、養育費が未払いになるリスクを大きく減らせる場合があります。

公正証書の作成は、当事者双方が公証役場に出向く必要がありますので、相手が協力を拒むことも多いようですので根気強く説得をしなければならない場合もあるでしょう。
養育費の未払いは、法的拘束力が強い「公正証書」や「調停調書」を作成することで防げるケースは多いと言えるでしょう。

感情的な理由も未払いの原因になる

養育費の未払いは、支払者の経済的なではなく感情的な理由が影響するケースも少なくありません。
離婚後も元夫婦の仲が良いケースは少ないかもしれませんが、険悪な関係になってしまっていることが原因で養育費を支払いたくないと感じる方も多いようです。
だからと言って、支払い義務を果たさないのは問題ですが、できるだけ良好な関係を築くことで養育費の支払いが受けられる可能性は高くなるでしょう。

相手には養育費の支払い義務があるだけではなく、子どもとの面会交流権を行う権利は法律で認められています。
お互いの関係が悪いときには、面会交流をしたくないと感じる方も少なくないと思いますが、面会交流をさせて貰えないことを理由に養育費の支払いを拒むケースは少なくありません。
面会交流と養育費は別の問題ですので、面会交流を果たさないことを理由に養育費の支払いに応じないのは問題ですが、あなたが面会交流の義務を果さないことに納得がいかない気持ちも理解できます。
養育費も面会交流も、元夫婦の為ではなく子どもの健やかな成長のために認められているものです。相手に養育費の支払い義務だけを求めるのではなく、あなたが面会交流の義務を果たさなければなりません。

お互いの価値観の違いや不貞行為などの離婚原因がこちら側にあるときには、面会交流をさせたくないと感じる方もいるかもしれませんが、養育費を受け取らない場合であっても面会交流は果さなければなりません。正当な理由がなく面会交流を拒むと、罰則もありますので注意しましょう。
離婚時には、夫婦間で様々な取り決めをしっかりと行い、取り決めや約束事はお互いに守ることが大切です。


まとめ

親は子ともに対して様々な義務や責任が発生するのですが、その中の一つに子どもに対しての扶養義務が課せられています。
離婚をして親権を持たない親であっても、子どもとの親子関係は継続することになりますので、子どもの扶養義務があり養育費の支払いをしなくてはなりません。一方で、離婚した元配偶者とは法律上は他人になりますので扶養義務は無くなります。
子どもへの扶養義務は、自分の生活と同じ程度の生活を子どもにも保持させる義務がありますので、自分の生活水準を落としてでも払う必要があるお金と考えられています。

養育費の支払い期間は、子どもが成人までの期間が基本となりますが、子どもが学校に行っている期間支払うケースが多いようです。
養育費の金額は、当事者で同意できれば自由に決めることができますが、同意できないときには養育費算定表を参考に裁判所が決定することになります。
この場合には、お互いの経済状況が重視されますので、相手の所得が少ないときには十分な金額が受け取れない場合もあります。

養育費が未払意を避けるためには、養育費の取り決めを行い、公正証書を作成し、お互いの関係を良好に保つことが大切です。
離婚時には夫婦関係が険悪になっている場合も多いと思いますが、これらのことができていないと未払いになるリスクが高くなってしまいします。
子どもの養育に必要な大切なお金ですので、親の義務を果たす意味でも適切に対照する必要があるのではないでしょうか。

参考サイトの紹介(サイト外リンク)

【離婚対策】子供に必要な養育費の決め方をわかりやすく解説|養育費算定表の見方もわかる
離婚問題の悩みや不安を少しでも減らすための情報サイト「法ナビ離婚」もご活用ください。