探偵ができる調査とできない調査

探偵には対応できる調査とできない調査がある

探偵ができる調査とできない調査を解説

探偵の利用を考えている方の中には、探偵に希望する結果が出せるのか不安を感じている方も居るのではないでしょうか?
探偵は全ての依頼を引き受ける訳ではありませんし、依頼内容によっては結果が出せない調査もあります。
そのため、探偵を利用すれば問題が解決できるのか分からず、利用をためらっている人もいると思います。

探偵に浮気や人探しなど同じ調査を依頼したとしても、状況により調査の難易度は大きく異なります。そのため、同じ依頼内容であっても結果が出せる依頼と出せない依頼があります。
また、同じ調査でも目的が違えば引き受けない場合もあり、対応してくれる調査なのかが分かり難い特徴があります。

探偵にできる調査とできない調査がある理由が分かれば、どのような調査なら引き受けてくれるのか分かると思います。
このページでは、探偵ができる調査とできない調査を解説していきます。

❏【 目 次 】 探偵ができる調査とできない調査を解説

1 探偵が行っている業務の特徴
  1-1 探偵には特別な権限は認められていない
  1-2 調査の協力が得られない
  1-3 コストに対して成果が見合わない

2 探偵ができない調査を紹介
  2-1 違法な方法でしかできない調査
  2-2 調査結果が違法な目的に使われる可能性がある調査
  2-3 違法ではないが公序良俗に反する調査
  2-4 難易度が高く結果が出せない調査
  2-5 反社会的勢力からの調査依頼

3 できる調査とできない調査の具定例
  3-1 具体的にできる調査を紹介
  3-2 具体的にできない調査を紹介

4 まとめ

探偵が行っている業務の特徴

警察が行う犯罪捜査ではさまざまな権限が認められており、一般の人ではできない方法での捜査が可能です。また、日本の警察は非常に信頼が高いので、聞き込みや防犯カメラ映像の提供など協力が得られやすい特徴があります。
一方で、探偵には特別な権限はありませんので、一般の方とできる調査方法は変わらないと言えます。また、探偵は社会的信用も低いので、警察と比べ第三者の協力が得られ難い特徴があります。
そのため、探偵の調査にはどうしても限界があり、結果が出せない調査があるのも事実です。

テレビドラマなどに登場する探偵は、盗聴器を仕掛けたりハッキングを行っている姿が描かれていますが、このような行為は違法であり実際の探偵は行っていません。また、変装をして会社や自宅に侵入する行為ももちろん違法です。
探偵が行っている調査は主に、張り込み、尾行、聞き込み、情報調査などの方法で行っており、結果が出せる調査には限界があるのも事実です。

探偵には特別な権限は認められていない

警察が行う犯罪捜査では、特別な捜査権が認められており一般の方ができない捜査が可能です。
それに対して、探偵には特別な権限が認められていませんので、特別な権限を使った調査はできません。
警察は犯罪歴や逮捕歴の照会は容易ですし、裁判所の令状があれば身柄を拘束したり自宅や勤務先を強制的に調べられます。また、電話やインターネットの履歴、免許証、住民票などの情報を調べることも可能です。
それに対し探偵には、このような特別な権限は一切ありませんので、法律の面で言えば一般の人と同じことしかできません。そのため、どうしても対応ができない調査がでてきます。
ただし、探偵は調査のプロですのでさまざまな調査方法や人脈を利用し、一般の方ではできない調査であっても結果が出せるケースは少なくありません。
探偵には特別な権限は認められていませんが高い確率で結果が出せる調査もあり、だからこそ職業として成り立っていると言えるでしょう。

調査の協力が得られない

警察の不祥事がときどき話題になりますが、それでも警察の信頼は非常に高く捜査で協力が得られ易いです。
それに対して探偵は、イメージが悪く信頼も低いので第三者から調査協力が得られない場合が多いです。
聞き込みでの調査では第三者の協力が得られない場合が多いですし、マンションやホテルの防犯カメラ映像の提出も難しいのが現状です。また、社内や公的な情報の提供は基本的にできません。
このような事情から、第三者から情報を得る必要がある調査は、探偵は結果が出せない場合が多いと考えられます。

コストに対して成果が見合わない

刑法に触れる犯罪に対しては、警察が捜査を行い検察が起訴し裁判が行われ判決が出されます。これらは全て行政機関が対応しますので被害者の金銭的な負担はありません。しかし、このような手続きには多くの人が動いていますので大きな経費が掛かっているのも事実です。
それに対して探偵は民間の会社ですので、調査料金は依頼者が負担する必要があります。また、裁判を行うのであれば、弁護士費用も依頼者が負担する必要がでてきます。
そのため、被害の金額や慰謝料が少ない場合には、探偵が調査で結果を出しても金銭的なメリットが得られません。また、被害額が大きい場合であっても、調査の難易度が高ければ調査費用が上回ってしまう場合もあるでしょう。
その他にも、裁判で慰謝料が認められても、相手に支払い能力がなければ金銭を受け取るのは困難ですし、支払いの意思がなく逃げてしまう人もいます。
このように、調査料金に見合う結果が得られないと考えられるケースでは、依頼者が金銭的なメリットが得られませんので探偵が引き受けない場合があるようです。
ただし、探偵の利用は金銭的な利益だけが目的ではありません。金銭的なメリットがなくても調査を希望すれば引き受けてくれるでしょう。

探偵ができない調査を紹介

探偵には対応できない調査がありますが、次の5つの理由が中心です。
 ・違法な方法でしかできない調査
 ・調査結果が違法な目的に使われる可能性がある調査
 ・違法ではないが公序良俗に反する調査
 ・難易度が高く結果が出せない調査
 ・反社会的勢力からの調査依頼

探偵に違法な方法での調査が許されないのは当然ですが、調査結果を依頼者が違法な目的に使わないのかにも注意を払っています。
また、違法とまでは言えない場合であっても公序良俗に反する調査、反社会的勢力からの依頼も受けていないようです。
その他にも、調査の難易度が高く結果を出せる可能性が低い調査もあり、このような調査も対応ができない依頼と言えるでしょう。

違法な方法でしかできない調査

探偵は違法な方法で調査を行っているイメージを持っている方もいるようですが、決して違法行為は行っておらず法律の範囲内で調査を行っています。
探偵が違法行為を行えば当然法律により裁かれますので、探偵にとって違法行為を行うメリットはありません。
また、違法な方法で入手した証拠は裁判で証拠として認められない場合がありますし、依頼者がトラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。
法律に違反しない適正な方法での調査は、最終的に依頼者にとって大きなメリットにつながります。

探偵にも法律を守る義務が当然ありますので、全ての調査を法律に違反しない方法で行わなければなりません。そのため、探偵は依頼者から状況を詳しく聞き、適正な方法で結果が出せるのかを判断しています。
他人の敷地内に侵入する、証拠として物を持ち出す、住民票などの不正取得、アプリやサイトへの不正アクセスなど、刑法に触れる方法でなければ結果が出せない調査は対応できません。
また、プライバシーを侵害する調査、国籍や出身地など差別に当たる調査、退職や離婚に追い込む工作行為などは、民法に反する不法行為に該当する可能性があり引き受けません。

調査結果が違法な目的に使われる可能性がある調査

適切な調査方法で結果が出せる依頼であっても、調査結果を違法な目的で利用する疑いがある依頼は引き受けていないようです。
このようなケースでは、探偵が違法行為を行っている訳ではありませんが、第三者が被害に合う可能性がありますので倫理的に許されないでしょう。また、調査結果を違法な目的で利用すると探偵が知っていれば、探偵も共犯として罰せられると考えられます。その他にも、探偵は依頼者の利益を最優先に考えるべきであり、利用者が犯罪加害者になってしまう調査は引き受けません。
探偵は調査結果の利用目的を確認しており、正当な理由がないと考えられる依頼は引き受けません。
たとえば、元交際相手や元配偶者の所在調査は、ストーカーやDVが疑われますので原則として引き受けていないようです。ただし、金銭の返済や未払いになっている養育費の請求が目的であれば、正当な理由に該当しますので調査を行っているようです。
その他にも、調査結果を脅迫や恐喝に利用する可能性がある調査、プライバシーを侵害する目的である調査、違法な方法での仕返しが疑われる調査も探偵は引き受けていません。
依頼者が正当な目的であると考えていても、第三者が客観的に見ると正当ではない場合もありますので冷静に考えてみましょう。

違法ではないが公序良俗に反する調査

違法とは言えない依頼であっても、公序良俗に反する調査も引き受けない傾向にあります。
探偵の調査は被害者の救済が目的であるべきであり、第三者を陥れる行為は違法性がないからと言って許されません。
たとえば、別れさせ工作、第三者を退職に追い込む目的の工作、第三者を離婚や結婚の破談にする目的の調査、他人を恐怖に陥れる調査、虐めにつながる調査は引き受けていないようです。
ただし、違法とは言えない調査に関しては法律で規制されていませんので、探偵業者によって対応が異なるのが現状のようです。
このような調査は、法律上は問題がないかもしれませんが、利用者がトラブルに巻き込まれる可能性がありますので注意しましょう。

難易度が高く結果が出せない調査

探偵は全ての依頼で必ず結果が出せる訳ではなく、調査の難易度が高く結果が出せない調査が一定数はあるのも事実です。
また、結果が出せる依頼であっても被害額が少額の場合には、依頼者の金銭的メリットがありませんので引く受けない場合があります。ただし、金銭的な利益だけが依頼者の目的ではありませんので、依頼者が調査を希望をすれば引き受けてくれるでしょう。

探偵が結果を出せない調査にはさまざまな理由があるのですが、探偵は過去の事実を証明する調査は難易度が高いです。
警察では防犯カメラ映像で成果が出る捜査であっても、探偵は社会的な信用が低くこのような調査は協力が得られ難いのが現状です。また、聞き込みが必要な調査も、協力が得られない可能性が高く難易度が高いようです。
その他には、対象者の警戒心が強い、あなたが調べていると相手が気付いている、情報が極端に少ない、密室内で行われている事実証明は、探偵にとって難易度が高い調査です。
調査の難易度が高い依頼に関しては、探偵業者によっては対応が可能な場合もあります。調査の難易度が理由で探偵に断られた場合には、複数の探偵に相談をしてみましょう。

反社会的勢力からの調査依頼

全ての都道府県で暴力団排除条例が制定され、探偵にも「反社会的勢力」に対する対応が求められています。
反社会的勢力とは、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」を指し、暴力団関係者のみが対象ではありません。
反社会的勢力に明確な基準はありませんが、暴力団、総会屋、振り込め詐欺グループ、犯罪グループ、半グレグループ、カルト集団、問題がある宗教団体、実態が不明な団体などからの依頼は引き受けていないようです。
反社会的勢力と取引を行うと、会社や個人に多大な影響が生じるたり企業の存続に関わる問題に発展する可能性があります。
探偵の調査業務は、その性質から利益供与や犯罪行為のほう助と捉えられる可能性があり、一般的な会社と比べリスクが高く注意を払っています。

できる調査とできない調査の具定例

探偵には、対応できる調査とできない調査がある理由を紹介してきましたが、具体的に分からない方も居るのではないでしょうか。
どのような調査であれば対応が可能か不可なのかを、具体的な調査例で紹介します。

具体的にできる調査を紹介

基本的には、民事事件や刑事事件の証拠収集や加害者の特定が目的であれば調査に正当性があります。
つまり、裁判で認められるトラブルに関する調査であれば、法的に正当な理由ですので対応が可能です。
また、身内の失踪や敷地内の盗聴など、探偵の調査によって第三者が被害に合う可能性がない調査に関しても対応が可能です。

具体的には、次の調査であれば対応可能と思われます。
 ・配偶者の浮気調査や浮気の証拠収集
 ・浮気相手の住所、氏名、勤務先の調査
 ・損害賠償や慰謝料の支払い義務がある人の調査
 ・金銭トラブル相手の所在や勤務先などの調査
 ・養育費が未払いになっている元配偶者の所在や勤務先調査
 ・子どもとの面会交流を果たさない元配偶者の所在調査
 ・虐め、プライバシーの侵害など民事事件の調査
 ・詐欺、器物損壊、窃盗など刑事事件の調査
 ・失踪した家族などの行方不明者の調査
 ・盗聴器や盗撮器の調査
 ・横領、背任、職務規定違反など従業員の不正行為の調査

具体的にできない調査を紹介

元交際相手や元配偶者の調査は、依頼者と対象者は法的に何ら関係がない間柄ですし、ストーカーやDVが疑われる場合には探偵が引き受けない調査です。
ただし、貸したお金を返してくれない、養育費が未払いになっている、子どもとの面会交流に応じない理由があれば、正当な理由と考えられますので調査が可能な場合があります。
原則として、調査結果を犯罪行為や公序良俗に反する目的で利用する可能性がある調査はできません。また、第三者を陥れるような目的での調査もできません。
また、違法な方法でしか調べることができない依頼や調査の難易度が高い調査は、対応できない場合があります。

具体的には、次のような調査は対応ができないと思われます。
 ・正当な理由がない交際相手や元交際相手の調査
 ・正当な理由がない元配偶者や別居中の配偶者の調査
 ・他人の敷地に入らないとできない調査
 ・他人の敷地に盗聴器や盗撮器を設置する行為
 ・ストーカーが疑われる調査
 ・DVを行っていた相手の調査
 ・別れさせ工作など他人を陥れる行為
 ・第三者の結婚を破談にする目的の調査
 ・個人情報や社内文書などを入手する調査
 ・国籍や出身地など差別につながる調査
 ・反社会的勢力からの依頼
 ・過去に行われていたが現在は行われていない調査

まとめ

探偵のできる調査とできない調査の違いは、浮気調査や人探しなど調査の種類によって決まる訳ではありません。同じ調査内容であっても、調査の目的や難易度よって変わります。
探偵には特別な権限はありませんので、警察のように権限を利用した調査はできません。また、調査結果を違法な目的で利用する可能性がある調査もできません。

探偵が対応ができない理由は、「難易度が高く結果が出せない調査」と「法律や倫理的に問題がある調査」が中心です。
調査の難易度が高く結果が出せない調査は、探偵業者により調査方法が異なったり調査の得意分野がありますので他の探偵であれば結果が出せる可能性があります。複数の探偵に相談をしてみると、対応が可能な探偵業者が見つかる場合もあるでしょう。
法律や倫理的に問題がある調査は、何らかの問題点があると探偵が判断していますので、依頼内容に正当性があるのかを良く考えてみましょう。法律や倫理的に問題がある調査に関しては、他の探偵に相談をしても対応してくれないと考えられます。

調査が可能なのかの判断は利用者には難しい場合もありますので、探偵に電話やメールで問い合わせてみましょう。基本的に探偵業者は相談を無料で受け付けていますので気軽に相談ができます。
依頼者の希望はもちろんですが、現在の状況、持っている情報、調査の目的などを探偵に伝えれば、対応が可能な調査なのかを確認できます。
探偵が調査を引き受けない理由は、探偵業者の都合だけではなく依頼者の利益を守る意味もあります。事実と目的をしっかり伝えることが、最終的に依頼者の利益につながります。
探偵が調査を引き受けてくれない時には、引き受けない理由を教えてくれる場合もありまので聞いてみましょう。

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